不動産投資初心者にとって、なぜ、新築区分ワンルームマンション投資は危険と言われるのか?

考え方・戦略
この記事は約12分で読めます。

不動産投資を始めようかなぁと考え始めた時、色々な疑問にぶち当たると思います。

  • マンションが良いのか? それともアパートが良いのか?
  • 一棟ものが良いのか? 区分所有が良いのか?
  • 都心の低利回りが良いのか? 地方の高利回りが良いのか?
  • 新築が良いのか? 中古が良いのか?
  • 自分で物件を探すのが良いのか? 不動産業者に任せるのか?

うんうん、悩み、疑問は尽きませんよね。

私もこの畑に足を踏み入れる際には、本当に悩みました。

そしてとことん調べましたね。

インターネット、本、セミナー・・・

でも結局のところ、それぞれにメリット・デメリットがあり、最終的には自分が「納得」できるものを「選択」していく必要があります。

その上で、今日は、『都心の区分ワンルームマンションするなら新築?!中古?!』のテーマについて、

daikokuなりのポジショントークを展開したいと思います。

みなさんの参考にしていただければ幸いです。

ではよろしくお願いします。

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とにかく初心者は新築マンションに手を出してはならない!

今から一番ヤバいパターンの寸劇をしますね。

もしもし、daikoku不動産のわたくし大黒と申します。今日は老後の年金対策に都心のワンルームマンション投資のご案内でお電話差し上げました。

いやぁ、そういうのには興味ありませんので

そうですか。それは失礼いたしました。でもこれも何かのご縁ですので、一度仕事帰りに喫茶店でお話だけでも聞いていただけないでしょうか? もちろんいきなり契約だなんて言いませんので。ただいま、お会いいただいたお客様には、交通費としてAmazonギフトカードを差し上げております

・・・なんて言葉巧みに誘われて、とりあえず一回話聞くだけなら良いかなぁ、Amazonギフトカードももらえるし、なんて軽い気持ちで会うことに。

あれよあれよと業者のセールストークに乗せられて、結局契約してしまった都心新築区分ワンルームマンション

この嘘みたいなホントのパターンがあるようです。

こういう怪しい勧誘が一番困りますよね。

そして不動産投資を「あやしいもの」として見られる一番の原因ではないかと思っています。

電話での勧誘が来たら、一切取り合わなくて良いですからね。

そんな業者はこちらから願い下げです!

毅然とした態度で、業者の所在地、正式名称、担当者の部署とフルネーム、連絡先をしっかり書き留めて、用があったら改めてこちらから連絡すると伝えましょうね。

不動産投資、不動産賃貸の事業スキームは違法性など全くなく、しごくまっとうなものなのですが、こういういかがわしい業者が一定数いるために、すごくイメージが悪くなっているんですよねぇ。全く残念です。

・・・話を元に戻しますが、なんでそこまでして業者は都心新築区分所有ワンルームマンションを売りたがるのでしょうか?

それは、単純に業者が一番儲かるからです!

業者は我々に、老後の安心のために今からコツコツとなんて、さもまっとうなセールストークを展開しますが、要は「売り抜け」てその時点で利益を確定するのは、他ならぬ業者なわけです。

我々は、銀行からの高額な融資を受けるために利用されているだけです。

勧誘電話をかけてきている営業マンでは決して組むことのできないローンを、我々が代わりに組まされているだけです。

新築のマンションであれば、マンション自体の耐用年数もたくさん残っているので、長期高額ローンも組みやすいわけです。

業者からしたら、その後の我々の不動産経営、人生なんて関係ないですからね。

では、次からはなぜ、新築区分ワンルームマンションに手を出したらいけないのか、その理由を解説いたします。

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理由その1 物件評価額が、いつまで経ってもローン残債を上回ってくれないから!

とにかく新築マンションは高いです。高すぎます。

事業性、収益性が一番の投資の世界において、イニシャル負担が高すぎるのはいただけませんよね。

不動産投資の収益の鉄則は、インカムゲイン+キャピタルゲインだと言うことは以前お話ししたとおりです。

そのキャピタルゲインでプラスになる可能性が、新築マンションでは限りなく低いのです。

そもそも新築マンションと中古マンションでは、その販売価格の設定方法が全然違うんですよね。

ごくごく簡単に説明すると、新築マンションの場合は、

新築マンション価格 = 土地購入費 + 建築費 + 宣伝広告費 + それぞれの費用の利益

で決まります。

いろんな経費が積み上げられて決定されます。

そして、土地を購入する業者、マンションを建てる業者、マンションを販売する業者それぞれの「儲け」がしっかり載せられているわけです。

いっぽう、中古マンションの場合は、ほぼ上記のような個別の費用が考慮されることはなく、いわゆる「需要と供給バランス」によって価格設定が成り立っています。

どちらがより適正な、妥当な価格設定がされるか、あるいは、廉価な価格設定となるのかは、一目瞭然ですよね?

これって何もマンションだけに当てはまることではありません。

例えば私の大好きなクルマでも同じことが言えます。

新車と中古車、どちらが安いですか?

よほどの限定車、プレミア付きのクルマでない限り、間違いなく中古車が安いですよね

300万円の新車を買った翌月に、中古買い取り屋さんに査定してもらったらいくらになると思いますか?

220万くらいになっちゃいます。

差額80万円は、クルマメーカーと新車ディーラー、それから中古買い取り屋さんの利益なんですね。

なので、マンションも新築は絶対ダメです。高すぎます。くどいですけど。

仮に新築マンションを契約したらどんな未来が待っているのか?

頭金をどれだけ出して購入するかにもある程度左右されますが、どんなにローンを毎月返しても、なかなかローン残債が物件の市場価格を下回らないという状況が続くことが予想されます。

つまり仮に売却しても、ローン残債を払いきれないという状況です

これは悲惨ですよね。

投資のために不動産購入したはずなのに、負債以外の何物でもないというパターンです。

売ってもローンを全額払えないんだったら持ってるしかないわなぁとなるわけですが、

時間が経つに従ってローン残債が減るのはもちろんなのですが、当然物件の評価額も下がっていくわけですよ。

その下がり方っていうのが、新築の場合は中古に比べて下落率が高いわけです。

特に買ってからの10年間は!

何かあったときに売却してローンを綺麗さっぱり完済できないという状況は、精神的に非常に良くないということは容易に想像できますよね?

自分たちの生活を、老後を豊かにするはずのものが、何やらストレスを背負い込む原因にようになってしまっては、なんのための不動産投資かわかりません。

自分で住むのなら、新築じゃなきゃ住みたくないって言うこだわりがあるのなら、やむを得ませんが、あくまでも投資としてマンション買うのであれば、価格設定に市場価値という適正なフィルターがかかっている中古がオススメです。

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理由その2 新築プレミアムを振りかざせるのは、最初の賃借人の1回限りだから!

新築マンションに手を出さない方が良い理由2番目は、家賃に関わる話です。

一般的に新築賃貸物件の場合、相場よりも高めの賃料設定がまかり通るのは容易に想像できると思います。

これはでたらめではなく本当のことです。

借りる側の人間になって想像してみてください。

社会人になって一人暮らしを始める、あるいは同棲を始める、そんなとき、新築マンションに住むというのはとても憧れますよね。幸先良い感じがしますよね。

まさにこれが新築プレミアムです!

住むなら新築じゃなきゃダメ!っていう方が、一定数いるのは事実です。

借りる側がある種舞い上がっている状態ですので、家賃が他の物件より少々高かろうが、勢いで契約してくれるんですよね。

部屋を紹介している不動産屋さんも、

「新築物件だけは、もう、ご縁ですからねぇ・・・」なんて殺し文句で援護射撃してくれるので、それこそこちらの言い値での契約に持ち込みやすいはずです。

しかし・・・これが有効なのは、文字通り最初の入居者の時だけ、たったの一回ポッキリ!ですからね。

ここに注意が必要です。

高額なローンの毎月の返済計画も、最初の高飛車な賃料設定で行われているはずです。

万が一最初の入居者が1回目の更新のタイミングで退去したら・・・

もうその次は「新築」を語れませんからね。

新築を語れない以上、当然賃料設定にも影響してきますよね。

まわりの相場に引きずられざるを得ません。

高い賃料設定で計算されているからこその毎月のキャッシュフローが、適正な賃料(非新築物件賃料)になった途端、赤字に転落なんてことは良くある話です。

忘れてはならないのが、管理費と修繕積立金は、年々増加傾向にあるということです。

賃料は下がる一方で、ランニングコストは上がる一方・・・

どういうことになるか想像できますよね。

その点、最初から中古を狙っておけば、そのような心配から解放されます。

そして、ハッキリ言って築3年と築5年の違いなんて、借りる側からしたらほとんど関係なくなりますからね。

大事なのは、初物なのか、そうでないか、だけなのです。

こと賃貸マンションの世界では、築15年と築20年の違いなんて、ぱっと見で絶対わからないですからね。

日々の管理状況やら、大規模修繕をしっかり入れているかなどで、いくらでも年齢(築年数)なんてごまかせますからね!

初心者が手を出すなら中古に限ります。

新築からある程度の時間が経過していれば、家賃の下落も落ち着いてきていますし、マンションの管理の状態もだいたい把握することが可能になるからです。

物件を買う前に、そのマンションがそれまでどのような管理がなされてきて、今後どのような修繕計画が立てられているのか?修繕積立金の予算状況はどうなっているのか?全て事前に確認することができますからね。

そうは言っても、ただひとつだけ注意点が。

一部の特殊な物件を除き、旧耐震基準で建てられたマンションだけは手を出さない方が賢明です。

旧耐震基準で建てられたマンションについては、耐震補強を行わない限り、どうしようもありませんからね。

管理でどうのこうのカバーできる範疇を超えていますので・・・。

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理由その3 魔法の経費「減価償却費」が新築マンションではそこまで使えないから

不動産投資をする上で忘れてはならないのが、この「減価償却」の概念です。

不動産投資を実際にされていて、確定申告もご自身でされているような方であれば、私の言わんとしていることはすぐにわかっていただけると思います。

しかし、ここは、全く不動産投資をやったことのない方が興味を持って読んでくださっていると仮定して、説明を続けさせてくださいね。

そもそも減価償却ってなんだって話なんですが、本気で詳しくお知りになりたい方は、どうぞがっつりググっていただいて、会計事務所さんや税理士法人さんの解説をどっぷりお読みください。

ここでは私daikokuなりの解釈でdaikoku流の説明をさせていただきますね。

お付き合いください。

不動産投資における減価償却とは・・・

取得した物件の建物価格(土地は含めません)を税法上で定められた耐用年数で割り算した金額を、その年の経費にすることができる、というものです。

 だめ?

もっとわかりやすく具体的にしますね。

土地価格1,000万円、建物価格1,000万円の2,000万円のマンションを購入したとします。

そのマンションが新築だった場合は耐用年数が47年と定められていますので、

1,000万円 ÷ 47 = 約21万円(毎年の減価償却費)

この21万円が毎年経費のように費用計上できる、家賃収入から控除することができる、ということになります。

この21万円×47年分は別に自分の財布から支払ったわけじゃないですよね。

誰のお金でしょうか?

もとはと言えば銀行のお金なんです。

ここが不動産投資のまたすごいところでして、

銀行のお金でマンション買っておいて、他人からもらった家賃の中からローンを返済して、なおかつ、毎年使ってもないお金を経費計上(減価償却)して節税できるという、本当に投資家にとって甘甘な!?仕組みがまかり通っているのですよ。

話を少し戻しますが、先ほど、新築は47年と言いましたが、当然中古物件になるとこの耐用年数というのが減っていきます。

古くなるわけですからね。

同じ2,000万円のマンションを買ったとしても、耐用年数が20年の中古マンションだったとしたら・・・

1,000万円 ÷ 20 = 50万円!!(毎年の減価償却費)

同じ価格のマンションを買っているにも関わらず、経費計上できる金額が倍以上に膨れ上がるではないですか?

これ、どういうことがわかりますか?

仮に新築マンションの年間家賃収入が120万円だったとします。

税金がかかるのは収入から費用を引いた残りの金額なので・・・

(120万円 – 21万円)× 税率 = その年支払うべき税金

となります。

仮に中古マンションの年間家賃収入が100万円だったとします。

当然家賃は新築よりは安いでしょうからね。

(100万円 – 50万円)× 税率 = その年支払うべき税金

全然中古マンションの方が税金少なくて済むんですよ。

減価償却費は我々の財布からは実際一切支払っていないお金で、税金は我々の財布から実際に出て行ってしまうお金です。

結果的にどちらがたくさん我々の手元にお金が残りますか?

少々の高い家賃設定ができたところで、新築マンションは中古マンションの減価償却費のコスパの高さには勝てないことが多いのですよ!!

(税金の計算については、かなり簡略化した話をしているので細かいところは目をつぶってくださいね)

我々投資家としては、物件を購入するときに、この魔法の経費である減価償却費を毎年いくら使えるのか、ということも考慮して検討する必要があるのです。

突き詰めて考えると・・・

本当に投資効率を上げた不動産経営をするのであれば、できるだけ古い物件でかつ売却しやすい物件を見つけて、契約時にはできるだけ建物部分に価格を寄せた物件価格で契約して、そして減価償却費を完全に使い切ったところで即売り抜ける、という方法が一番だと思います。

実現はなかなか難しいですけどね。

あくまでも理想です、はい。

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まとめ

そんなこんなで、今日は不動産投資を始めるにあたり、誰しもぶち当たるテーマ「新築が良いのか中古が良いのか?」についてお話ししてきました。

ここでおさらいです。

  • 不動産投資はまず最初、小さく始めることが一番
  • そのためにも新築マンションには手を出さない
  • 仮に途中で辞めたいと思っても、中古マンションなら傷は浅くて済みます
  • いきなり一棟アパートとか一棟マンションなんてもってのほか
  • 投資とはいえ、不動産投資は事業性の極めて高いもの
  • 大化けはないものの、持続可能性が高く、堅実で効率的な形骸が可能な都心の中古ワンルームマンションがオススメ!

 

 

 

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