ここまで不動産投資について、その考え方、戦略、収支内容や今後の見通しなど、
いろいろな視点からお話ししてきました。
今日からは、そんななか、
「ぶっちゃけどうやって不動産投資を始めれば良いのか?」の疑問にお答えすべく、
できる限りわかりやすく解説していきたいと思います。
私自身がどのようにして不動産投資を始めたのか、
自分自身の経験と振り返りを交えてお話しいたします。
不動産投資をやってみてわかったのは、
「最初の一歩を踏み出すのが、途方もなく怖い」ということです。
逆の見方をすると、
一歩踏み出してしまえば、あとは意外とすんなりと進めるということでもあります。
でも、これってやったことのある人しか言えない感想なんですよね・・・
無理に理解してくださいとは言いませんので安心してくださいね。
では参ります! 全5回ににわけてご説明いたします。
- 第1巻 とにかくインプット!
- 第2巻 絶対に外さない条件を決める!
- 第3巻 まず一歩(一部屋)始める!
- 第4巻 続けるのか、やめるのか本気で考える!
- 第5巻 本格的な戦略・条件を定める!
本日は、第5巻 いよいよ最終巻 本格的な戦略・条件を定める!の巻〜
物件の買い増しをすべきか、繰上返済か?
前回のブログで1物件目を手に入れたあとの、賃貸経営のルーチンワークについてお話ししました。
そして、自分自身が不動産投資を長期間にわたって「やり続けるのか」それとも「やめるのか」、
そこの見極めが大切です、ということもお伝えいたしました。
いずれにしても実際に不動産投資を「やって」みないことにはわからないことです。
たとえどんなに本を読んだりセミナーに行ってみたり、あるいはやっている人の話を聞いたり、ブログを読んだりしたところで、
実際に自分の手で賃貸経営をやってみて経験すること、考えること、思うこと、それに勝るものはないと思います。
その上で、自分はこの世界で「やり続ける!」と決心したら、
次にぶち当たる壁は、
もう1物件買い増して、事業規模を大きくすべきなのか?
あるいは、
繰上返済を行って純資産化を加速させるのか?
その2択で迷われることが多いのではないかと思います。
今日はそのあたりのことについて考えてみたいと思います。
実は何を隠そう、この私も現在この2択でお悩みの真っ只中です。
自分自身の頭の中の整理も兼ねて今回はブログを進めていきたいと思います。
買い増しすることのメリット・デメリット
まず第1の選択肢、「買い増し」して事業規模を拡大させることについて。
完全な大家業を営んでいる方を除き、一般にサラリーマンで不動産投資をやられている方って、一体どれくらいの物件を持たれているのでしょうか?
私と取引のある不動産会社のオーナー懇親会にこれまで何回か出席させていただいておりますが、私の肌感覚としては1部屋だけ所有されているオーナーさんが圧倒的に多いです。
書籍を書いている方やYouTube等で情報発信されている方は、すでに脱サラされていて、今やたくさんの不動産投資家から羨望のまなざしを向けられているわけですが、
そんな方は、むしろまれだと思います。
そういう方たちは、とても目立つ存在ではありますけれどね・・・
やはりフツーの経済感覚を持って、フツーに会社勤めしているサラリーマンにとって、
お給料からではなく家賃収入から支払うことのできるものであるとはいえ、
何千万の借金を背負うことは、かなり怖いこと、リスキーなことではありますよね。
そうかと思ったら、全部で3部屋所有して、そのうち2部屋を賃貸に出し、もう一部屋は自分が住んでいるという方にも出会ったことがあります。
2部屋から入ってくる家賃収入で、自分が住む部屋のローンにいくらか充てることもできていたので、なかなか面白い戦略だなぁと感心しました。
今住んでいるところに飽きたら、別の部屋に引っ越しして、違う街での生活を楽しむこともできるとおっしゃっていました。
タイミングの問題はありますが、オシャレなライフスタイルですよね・・・
他には、60歳超えの方ですが、5部屋所有で家賃年収500万円を達成されていて、退職金の一部でローンを完済して、晴れて家賃生活を満喫しているという方にもお会いしたことがあります。
うらやましい限りですよねぇ。
私自身も家賃年収500万円というのは1つの目標ですね。
本業のお給料とは別に500万円の収入があるっていう状況を目指して、どういう戦略をとれば一番効率的に早く安全にたどり着けるのか、日々研究です。
買い増しすることのメリット
- 1 家賃収入と経費の差額、キャッシュフローが増える
- 2 資産価値が上がった場合、大幅なキャピタルゲイン増が見込める
- 3 空室リスク対策につながる
買い増しすることのデメリット
- 1 借金の増加につながる
- 2 資産価値が極端に下がった場合、損失割合が増大する
- 3 空室リスク・修繕リスクが増加する
こうしてみてみると、メリット・デメリットは表裏の関係ですね・・・
当たり前のことですが、うまくいけば良いけど、
空室が生まれたり、ローン金利の大幅な上昇が起こったり、土地価格の大暴落が起きたら、ヤバイ状況になりますよね。
いろいろな状況を自分で予測した上で先を見通す力が必要になりますね。
繰上返済することのメリット・デメリット
一方で、今所有している物件のローンの「繰上返済」を進めるという選択肢はいかがでしょうか?
自宅で住宅ローンを組まれている方なら、やったことある方多いのではないでしょうか?
私も自宅を15年ほど前に購入したとき、当時の住宅ローン金利、3.5%だったことよく覚えております。
しかしこの15年の間に、住宅ローン金利ってホントに下がりましたね。
今の私の住宅ローン金利、0.6%ですよ!考えられないですね。
これまで3回住宅ローンの借り換えをやってきましたが、まぁ、もう来るところまで来たって感じですよね。
不動産投資の界隈でもよく話題に上るのですが、この超超低金利時代に終わりはあるんでしょうかね?
このグラフ見る限り平成3年くらいからずっと下がりっぱなし。
ちょっと上がってもすぐ下がってます。
私個人的には、もうこの日本で、これからの日本で、金利が昭和末期、平成初期の時のように上がることはないんじゃないかと思うわけですよ〜。甘いですかね?
世界的に見ても、この日本の超特殊な社会構造、人口構造、経済状況でですよ、金利を上げようものなら、どうなると思われます?
現在の超超低金利時代においても貯金が大好きな日本人ですよ。
ますます貯金して、貯め込んで、お金使わなくなりますよね。
ただでさえ年金2000万円問題で炎上しちゃったところです。
消費税だって10%になる時代に突入していくわけです。
会社だって、金利上がっちゃったら、設備投資も十分にできない、借金して事業規模大きくしようなんて思えなくなる。
貸し剥がしの恐怖におののきながら明るい未来なんて描けなくなります。
「使うよりも貯めましょう、社長!」ってなりますよね。
そうするとますます世の中にはお金流れませんよ。よどんじゃいますよ。日本全国が泥沼化なんて・・・
なので、私はこの先よほど子どもがたくさん生まれて、生産人口の増加が見込まれない限り、
ここ日本は、世界の中で日本だけは超超低金利時代が続くのではないかと推測しております。
金利の話に脱線してしまいましたが、そんな中での繰上返済をどう考えるか?というテーマですよね、大切なのは。
不動産投資の魅力であり、メリットの1つである、「レバレッジ」を最大限活かすという観点から見ると、繰上返済はマイナスに働きます。
もともと頭金10万円で2,000万円のワンルームマンションを手に入れようとしているわけですからね。
極端にわかりやすく言うと、10万円で買った株価が35年後2,000万円に化けるようなことをやろうとしているわけです。(ホントに極端な言い方してますけどね。)
当初借金として背負った1,990万円は、空室が出ない限り(ここが超重要です!)、
自分ではない賃借人の家賃の中から利子含めて全額を払ってくれる計算になってます。
そのロジックが組んである事業スキームの中で、なぜ自身のお金を繰上返済する必要があるのか?
それは、
お金で時間を買うということ
につながるからなんです!
我々の世界で、人生で、最も大切なものは「お金」ではありません。
私はズバリ「時間」だと思っています。
これは何も不動産投資に限ったことではなくて、普段私が生きていく中でも一番意識していることでもあります。
日常生活の中でのわかりやすい事例として、食洗機。
食器を洗うという家事は、生きている限り毎日必ず発生します。
そして四人家族ともなれば結構な量ですよね。
家庭用の食洗機は家を購入した15年ほど前は決して安くはなかったですが、思い切ってシステムキッチンに備え付けのタイプのものを導入しました。
これまで食器洗いに費やしていた時間が食洗機のおかげで浮いた分、他のことをやる時間が生まれました。
あとよくやる考え方の1つに、本業での自分の時給をおおよそ把握しておくというものがあります。
自分が本業から稼ぐ月給を、朝家出るときから帰ってくるまでの全ての時間で割り返すというものです。それが実質的な本業での自分の時給です。
その時給に基づき、自分が1時間動くとだいたいいくら稼いでいるというのを把握しておいて、何か迷ったときに、例えば・・・
- 「これを買うべきか、買わざるべきか?」
- 「タクシーで行くべきか、電車で行くべきか?」
- 「自分でやった方が良いか、人に(業者に)任せた方が良いか?」
といった場面に、自分の時給とその対価を天秤にかけて判断するクセをつけています。
そうすると、迷うことに時間を費やすということがだんだん減ってきたように思います。
今では、私にとって、お金というのは、
自分の人生における時間の密度を最大化するために必要なもの
という自分ルールの1つになっています。
その観点から行くと、不動産投資における繰上返済は、かなり私の生き方にもマッチした戦略ではないかと考えています。
他人資本だけで進めば35年間かかるローン返済「時間」を、自分資本も合わせることで、確実に減らすことができるわけですからね。
オマケに銀行に支払う利子も減らすことができ、事業採算性の向上にもつながる。
縮減できた時間を活かして物件を増やすことも可能ですし、ローンがなくなったことで生まれるキャッシュフローを別の物件に回して、さらに自己資本も投入して雪だるま式にローン返済を加速することも可能になる・・・
もちろん繰上返済にもバランスが大切です。
子どもたちの教育資金もストックしておかなければなりません。
繰上返済のために、食費をケチって健康を害すなんてこともあっては元も子もありません。
健康なくして、時間もお金もへったくれもなし
これは私に限らず、万人共通の理でしょう。
買ったら終わりではなく、常に考え続けること
いかがでしょうか?
これまで5回にわけて、不動産投資とは一体どんなものなのか?どのように行うのか?という疑問に少しでもお答えするべくお話を進めてきました。
単純に不動産業者に進められるがままに物件を購入したら安泰!という世界からは、ほど遠いことがおわかりいただけたのではないでしょうか?
本業である会社勤めも15年もすれば、それなりのポジションと仕事のやりがい、そこそこのお給料と貯金もできてくることでしょう。
その一方で、
- 定年までずっとこのままでいいのかなぁ
- 株式投資の不確定要素に振り回される毎日には辟易としている
- なにか自分で新しい事業(副業)を始めたい!
- 生涯にわたって稼げる収入を得たい!
- 会社だけに頼らないと稼げない自分を脱却したい!
- 年金だけの老後は不安だ・・・
なんていろいろな思いや悩み、野望が生まれてくることが多いのも、また我々アラフォー世代の特徴ではないでしょうか?
大切なのは、何をやるかではなく、
- 自分はどうなったら幸せなのか?
- 自分は何が一番大切なのか?
この2点をしっかりクリアにしておくことが大切なんだと思っています。
不動産投資は目的ではなくあくまでも手段です。
不動産投資をやる前もしっかり考えて、そして不動産投資を始めてからも、やはりしっかり考えて、
答えを外に求めるのではなく、自分の中に持っていること
が大切なんだと、常々私は自分にも言い聞かせています。
で、あなたはどうしたいですか?
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