ここまで不動産投資について、その考え方、戦略、収支内容や今後の見通しなど、
いろいろな視点からお話ししてきました。
今日からは、そんななか、
「ぶっちゃけどうやって不動産投資を始めれば良いのか?」の疑問にお答えすべく、
できる限りわかりやすく解説していきたいと思います。
私自身がどのようにして不動産投資を始めたのか、
自分自身の経験と振り返りを交えてお話しいたします。
不動産投資をやってみてわかったのは、
「最初の一歩を踏み出すのが、途方もなく怖い」ということです。
逆の見方をすると、
一歩踏み出してしまえば、あとは意外とすんなりと進めるということでもあります。
でも、これってやったことのある人しか言えない感想なんですよね・・・
無理に理解してくださいとは言いませんので安心してくださいね。
では参ります! 全5回ににわけてご説明いたします。
- 第1巻 とにかくインプット!
- 第2巻 絶対に外さない条件を決める!
- 第3巻 まず一歩(一部屋)始める!
- 第4巻 続けるのか、やめるのか本気で考える!
- 第5巻 本格的な戦略・条件を定める!
本日は、第4巻 続けるのか、やめるのか本気で考える!の巻〜
不動産投資のルーチンをひととおり経験する
前回までの計3回のブログで、まずひとつ目の物件を手に入れまでの流れをお話しいたしました。
今日は、晴れて最初の物件を手に入れてからの心構え、やることについてご紹介したいと思います。
すでに物件を所有された方も、またこれから所有したいと考えていらっしゃる方も、
今回の記事を読んでいただければ、
不動産投資の次の一手についてイメージしていただけるのではないかと思います。
それでは参りましょう!
私が人生で初めて賃貸経営用の都心ワンルームマンションを手に入れてから、
最初の1年目にやったことは次の通りです。
- 所轄の税務署に開業届と青色申告承認申請書を提出
- 会計ソフトを導入
- 不動産事業用の銀行口座を開設
- 不動産事業用のクレジットカードを作成
- 不動産取得税の納税
- 固定資産税・都市計画税の納税
- マンション管理組合との書類のやりとり
- 毎月の収支の帳簿付け
- 所轄の税務署に確定申告書を提出
ざっとこれくらいのことをやりましたかね。
ひとつひとつご説明しますね。
所轄の税務署に開業届と青色申告承認申請書を提出
ご自身のお住まいの住所地(買ったマンションの住所ではありません)を管轄する税務署に、
(それぞれのリンクをクリックしていただくと、税務署の公式HPに飛ぶようになってます。)
開業届というのは、文字通り「開業します!」というのを税務署(と自分自身!)に宣言するようなものです。
不動産投資なのに開業?
そうなんです。税法上、不動産投資はれっきとした事業なんですね。
我々はひとつ目の物件を手に入れた瞬間、個人事業主になるということです。
青色申告承認申請書というのは、
確定申告の際に、青色申告特別控除という特別な控除が10万円分(状況によっては65万円分)使えるようになります。
ごくごく簡単に説明すると、年間通してしっかりと帳簿付けするので、
その代わり経費として余分に10万円計上させてください、というものになります。
申請書と名がついていますが、基本的には提出すればほぼ間違いなく認められます。
ただし、提出する期限が決まっていますので、
最初の物件を契約した日付を「開業日」とした開業届と青色申告承認申請書を、
同じタイミングで速やか(開業日から1ヶ月以内)に提出するのがオススメです!
会計ソフトを導入
これは次の章でもお話ししますが、
1月から12月までの1年間の収支に対応した確定申告書を、
翌年の3月15日までに提出するという大イベントを、
楽ちんにそして正確に行うために導入しました。
みなさんの中にも、確定申告なら今まで自分で作成して提出したことあるよ、
って方は結構いらっしゃるかもしれません。
子どもが生まれたとき、医療費控除でお金が還付されたわ。
自宅を購入した最初の年に、住宅ローン控除のために一回だけやったことあるなぁ。
そうそう、その確定申告です。
会計ソフトを使わなくても、アナログでできなくもないのでしょうが、
私はオススメしません。
というか、手書きで諸々の収支管理をやっていく自信がありませんので・・・
先ほどお話しした、青色申告特別控除をもらうためにも、
帳簿付けはしっかりしておく必要があります。
誤った処理、申告をしてしまうと、後々トラブルになる可能性もありますからね。
少なくとも5年分の帳簿・領収書等を保管しておく必要もありますので、
やはり会計ソフトを導入することが、費用対効果を鑑みてもオススメです。
会計ソフト導入することで、
日々の帳簿付けから年度末の確定申告まで簡単に、安心して進めることができます。
私が実際に少し使ってみて使い勝手を比較したのが、以下の3社の会計ソフトです。
いずれも無料で一定期間のお試しができるので、ご自身にあったものを探して選んでいただくのが良いかと思います。
機能や料金が微妙に違いますが、不動産投資をやるにあたり必要なことは全て揃っています。
私自身はMacを使っていること、電子申告での確定申告を考えていたこともあり、
freeeを最終的に選びました。
いったん契約すると年間通しての付き合いとなりますので、年払いで契約しています。
もちろん、利用料金は不動産所得の必要経費として計上できますからね。
不動産事業用の銀行口座を開設
毎月の家賃の振り込み、それから管理費・修繕積立金の口座振替から、
事業用のクレジットカードの引き落としまで、全て1つの銀行口座できるようにしました。
不動産事業に関わる経費なのか、プライベートな支出なのかわからなくなると、
確定申告にも影響が出てきますので、
なるべくシンプルに、わかりやすくしてあります。
先ほどの会計ソフトfreeeには、
銀行口座から自動的に明細情報を取得する機能があるので、とてもわかりやすいです。
不動産事業用のクレジットカードを作成
銀行口座と同様で、
不動産事業に関わる経費の支払い、消耗品などの購入に使うクレジットカードを作成しました。
プライベートな支出との混同はしないようにしております。
会計ソフトfreeeとクレジットカードも紐付けしてあるので、自動的に明細情報を取得してくれます。
不動産取得税の納税
これは以前の記事の中でも紹介したように記憶していますが、
不動産物件を取得する際、一度だけ課税される税金です。
契約から3,4ヶ月後の、忘れたころにやってくる納税通知書!
メンタルに響きます。
都心の2,000万円のワンルームマンションで14万円ほどでした。痛い!
もともと年間の収支が税引き前で5万円ほどのやりくりの中で、14万円の出費は堪えますよね。
このあたりの厳しい現実は過去の記事をお読みくださいね。
固定資産税・都市計画税の納税
先ほどの不動産取得税とは違い、
こちらの税金は、毎年5月に納税通知書が送られてきます。
だいたい4万5千円くらいかな。
よほどの地価の騰落がない限り金額は大きく増減しません。
毎年これくらいの負担は覚悟しないといけません。
マンション管理組合との書類のやりとり
マンション管理会社から、年に数回郵便が届きます。
総会開催の案内や、議案書、何かしらの情報提供が郵送で届きます。
中には、出欠の連絡を返信したりする必要のあるものもあります。
毎月の収支の帳簿付け
家賃収入があったとき、または事業経費の支出があったときに、
会計ソフトfreeeを使って帳簿付けを行います。
銀行口座と紐付けされているので、入出金があったときは、
自動でデータを引っ張ってきてくれるので、とても楽ちんです。
MacでもiPhoneアプリでもクラウドで繋がっているので、まさにいつでもどこでも帳簿付け、
収支状況を入力・把握することができます。
ただし、簿記3級レベルの知識がないと、どうやって入力するのかわからないことや、
正しく入力できているのか不安なことが発生します。
その点、freeeはサポート体制も整っていて、
問い合わせフォーム等で質問すれば、たいがいのことは教えてもらえます。
とは言え、不動産投資をきっかけに、簿記や経営のことにも興味が湧いてきましたので、
不動産投資を始めた一年目に、簿記3級の資格を取得しました。
このことについては、またいつかブログでお話ししようと考えています。
初心者最大のヤマは確定申告か?!
そして、〆はやはり確定申告ですかね?
これは最初手こずるかもしれませんね。
一回やってしまえばなんということはありませんが、
- 簿記のことも全くわからない
- 本業の方でも会計・税金のことはサッパリ
- ただただ資産運用が目的で不動産投資しました
的な方が、初めて確定申告をするとなると、さすがに苦しい。
苦労することは覚悟した方が良いと思います。
これをきっかけに新しいことが学べる、くらいな考え方ができれば、
とても良い機会になるかとは思いますが、
面倒くささが先行してしまう場合は、思い切って最初の1年目は、
税理士さんにお願いしてみるのも良いかもしれません。
翌年以降は、税理士さんに初年度やってもらったものを、
「見よう見まね」で一人でやることもやぶさかではないと思います。
初めて物件を購入した年は、間違いなく不動産所得に赤字が発生するはずなので、
本業の給与所得との損益通算が生じます。
その結果、所得税の還付が受けられるはずですので、しっかりとした申告することが求められます。
私のケースは、確定申告まで時間の余裕があったことと、
もともと税金や会計にも興味がありましたので、
色々調べながら、自分ひとりで確定申告を行いました。
本業の給与所得以外にも、株式投資の配当金や投資信託の売却益、
遊びでかじったFXやソーシャルレンディングの利子、iDeCoの預入など、
不動産所得以外にも細々と収入がありましたが、
会計ソフトfreeeのおかげで、クラウド上で全ての所得を合算した形で、
確定申告を電子申告で行うことができました。
本当に使い勝手の良い会計ソフトだと思います。
不動産投資に終わりはあるのか?
さて、以上のような感じで、初めて不動産物件を取得した一年目のルーチンをこなしたら、
あとは基本、同じことのくり返しなんですよね。
不動産の物件価格は、株のように日に日に上がったり下がったりしない、
というかそもそもニュースで毎日報道されないし、簡単に確認することができないし、
物件購入してから5年経たずして売却したら、
たとえ売却益が生まれたとしても、割高な税率をかけられてしまいます。
なので、しばらくは売却のことすら考えずに、
淡々とお家賃をいただいて、淡々と支払うものを支払うという日々が続きます。
そうすると、
不動産投資をやってるんだぞっていう興奮が冷めてくる
んですよねぇ。
人間って不思議なもんで、慣れるんですね。どんな刺激にも・・・
そうするとまた次のステップに移るんですね。
そのステップとは?
やる、やらないの次は、やり続けるのかやめるのかの選択が待っている
あれだけ最初、不動産投資を「やるかやらないか」で悩んでいた自分が、
いざ一部屋ワンルームマンションを手に入れてしばらく運用すると、
- このまま、一部屋だけでいいのかなぁ、もっと増やしたいなぁ・・・
- 今度は中目黒に物件持ってみたいなぁ・・・
- 早くローン返済してインカムゲインを確保したいなぁ・・・
- もっと効率的に経営・運用していく方法ってないのかなぁ・・・
といった、欲だったり、好奇心だったり、向上心みたいなものが生まれて来るかもしれません。
それとは逆に、
- こんなペースでしかお金増えないのかぁ・・・
- 株とかFXとかの方が、手っ取り早く儲けられるのではないかなぁ・・・
- 空室が出るの怖いしなぁ・・・
- 帳簿付けとか毎年の確定申告がめんどくさいなぁ・・・
といった、ネガティブな気持ちが湧いてくるかもしれません。
その純粋な自分の気持ちを大切にしてみると良いと思います。
不動産投資は不動産経営と何度もこのブログでお話ししているとおり、
長い期間かけて資産を自分のものにしていく、
長い期間かけて収益性をあげていくものです。
そういう事業性の高い投資なので、
このスキームをよしとできる人、できない人、
向いている人、向いていない人がいるかもしれません。
とりあえず物件を持ってみないとわからないことがたくさんありますが、
いざ持ってみて、「やっぱりこれは無理かも」って思ってしまった場合は、
無理に続ける必要はないかと思います。
やる、やらないの次のステップは、やり「続けるのか」、「やめるのか」
そこの見極めをしっかりと自問自答していただきたいと思います。
そしてひとつ私の好きな言葉をお伝えして、
今回のお話を〆たいと思います。
やらないで後悔するよりは、やって後悔する人生を選びたい
では、次回最終巻「本格的な戦略・条件を定める!」お楽しみに〜
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